カサゴ(アラカブ)というと、多少海釣りの経験がある方は、「穴釣りで簡単に釣れる魚ですね!!」などと、簡単に言ってくれます。
そんなことを言う方に限って「穴釣りをしたことあると?」と尋ねますと、十中八九「いや、したことはないんですが・・・!」と言い返してきます。
穴釣りをしたこともない方ほど、
・穴釣りをすればカサゴ(アラカブ)が簡単に釣れる
・・などと、たわけたことを思っているんです。
ド素人に限って「カサゴ(アラカブ)は、穴釣りで、簡単に釣れる」などと言うイメージを、くだらない海釣り入門書を読んで記憶しているだけなのです。
私の50年以上にも及ぶ経験から言及しますと、「穴釣りは簡単な釣りではない!」と断言できます。
どれぐらい難しいかと申しますと、乗っ込みの時期の40センチオーバーのチヌを10枚以上釣るよりも、福岡市近郊の釣り場の穴釣りで20センチオーバーのカサゴ(アラカブ)を10枚以上釣ることのほうが難易度が高いような気が致します。
「そ、そんな・・・・!」と、思われる方は、読み進めてください。
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誰でもできる穴釣りが福岡近郊で難しいワケ
穴釣りをするとなると、たいていの方はテトラポットの隙間からエサを付けた仕掛けを落とし込んでいきます。
ところが、本当に海底までたどり着くことができる穴ぽこは限られていますし、魚のアタリすらない穴ぽこのほうが多いのです。^^;
よしんば海底までエサの着いた仕掛けが落ちたとしても、波で揉まれてすぐに根掛かりします。
こうなると、竿をテトラの上に置いて直接道糸を握って引っ張るのですが、たいていの場合仕掛けを失います。
・・・・・・・・・・・・!!
気を取り直して新たな仕掛けを結んで他の穴ぽこに沈めていきますと、再び根掛かり!!(涙)
同様に、ミチイトを持って引っ張りますと、仕掛けがプッツン!!
魚が釣れる前に、いやアタリがある前に何個仕掛けをなくすのか考えただけでブルーになります。
こんなんじゃ~ラチが開かない!と思って、ハリを小さくしたり、オモリを重たくしたり、軽くしたりして釣れるのは、チイチイフグ(クサフグ)だったり、10センチもないクロ(メジナ)だったり、ベラ、アナハゼ・・だったり。
とどめに、ギンポが釣れると、たいていはハリを飲み込まれて、再び仕掛けがプッツン!!
俺は何をしにここまで来たんだろう?と、自問自答することが多々あるのです。
カサゴ(アラカブ)も、メバルも、アイナメも、アコウ(キジハタ)なんて、夢のようにも思えてくるのです。
足場が悪いテトラの上で、1回穴に仕掛けを入れるごとに根掛かりやらギンポが釣れて仕掛けをなくし、「テトラの上で仕掛け作りの練習をしているのか?」「そのためにここに来たのか?」などと言う気分になります。
更に、テトラの上でしゃがんでいると、胸ポケットに入れていたジッポーのオイルライターが海の中に落ちるし、釣り用のハサミもまた落ちたりするんです。
仕掛けは失う、モノはテトラの穴に落とす、魚はいっちょん釣れん!!
「まるで、良いことがないのが穴釣りなのか!!??」と、恨めしい気分になります。
簡単に渡れるテトラなど釣り散らかされていて、魚がいない!
テトラの穴釣りをしてカサゴやメバルやアイナメなどが釣れない穴ぽこは、多くの釣り人が先にそのポイントで竿を出したか、定期的に狙う釣り人がいるからに他なりません。
穴釣りで根魚を狙ってみよう!などと思う方が、北九州市と福岡市の海釣りファンが良く行く鐘崎漁港や津屋崎、神湊…などで穴釣りをしても、釣れるほうが奇跡的だと言っても過言ではありません。
毎日毎日、夜討ち朝駆けで誰かが竿を出しているようなポイントばかりだと思ってもおかしくないのです。
大きなテトラでは誰も穴釣りをしません!!
(ここは既に立ち入り禁止になっている奈多漁港の昔の風景です)
奈多漁港の大きなテトラは、立ち入り禁止になる前からテトラの穴に落ちて死人が続出することで有名なポイントでした。
東北沖地震以降日本全国で津波の危険性が再認識されて、玄界灘に面した漁港ではそれまでよりも格段に大きなテトラが入り、釣り人の侵入を拒んでいます。
このようなところで穴釣りをしようものなら命がいくつあっても足りません。
離島のテトラ以外は狙った魚がなかなか釣れない!
福岡近郊のテトラからお目当ての魚を釣ろうとすれば、玄界島、相島、地島、小呂島、姫島といった離島にでも行かない限り、なかなか釣れるものではないというのが現実です。
長崎県や大分県のあまり釣り人が行かないような、いたとしても他の魚をウキ釣りや投げ釣りなどで狙っているテトラだったら可能性はありますが、人口が多い福岡近郊のテトラで穴釣りをしてもせいぜいカサゴ(アラカブ)が2~3匹も釣れれば御の字ではないでしょうか?
まとめ
穴釣りは少なくとも福岡近郊では全くと言って良いほど「簡単な釣り」ではありません。
釣り人口が多いことが災いしているのです。
あなたが考えているようなことを他の釣り人が考えて先回りしていることが多々あります。
だからテトラの穴ぽこに仕掛けを入れても、アタリもなく根掛かりするのがオチです。
ムキになってテトラからテトラを何時間も渡り歩いていますと、翌日は直立歩行ができないほどの筋肉疲労に見舞われます。
テトラの穴釣りでカサゴ(アラカブ)を釣りたいのでしたら、離島の防波堤のテトラにでも行かぬ限りなかなか釣れるものではないということなんです。
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