春の嵐で土日に竿を出せず、福岡近郊の釣果もイマイチ芳しくない中、昨年釣りを始めたばかりと云う方も多いみたいですので、飽きもせずに55年以上釣りをして、クロダイに関しては、フカセ釣り、投げ釣り、ダゴチン釣り、カセ釣りなどをやってきた私が、昨年から海釣りを始めたばかりの方でも今年中に「年なしのクロダイ」が手中にできる釣り方をご紹介したいと思います。
ちなみに、私が最近一緒に釣りをしているK君、Kさん、H君、Y君は全て釣り場で知り合いになった方ばかりで、皆さん昨年度は「年なしのクロダイ」を釣った方ばかりです。
一般的に、クロダイは「釣るのが難しい魚」だと言われています。
ですが、この釣り方をやればそんな世間一般の通説や俗説が、いかにアテにならないかと云うことがお分かりいただけるはずです。
しかるべき釣り場で、しかるべきタックルと仕掛けで、しかるべきエサと釣り方をすれば、初心者でも釣れる確率が非常に高いのがクロダイであると、私は考えています。
タックルは経験を重ねると、高価な道具でなくても釣れますが、初心者はそれなりに良い道具を使った方が釣りやすいのではないか?と思います。
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時期に応じた釣り場の選定で釣果の8割ぐらいは決まってしまう!
クロダイ釣りに限ったことではありませんが、狙う魚によって「釣り場の選定」こそが最優先課題だと思います。
私の経験則からも「釣り場の選定」が非常に大切且つ重要で、これをしくじると、どんなタックルや仕掛けやエサや腕前ですらほとんど意味をなさなくなります。
クロダイがいないところで竿を出すほどムダなことはありませんし、手も足も出ないことはお分かりいただけるかと思います。
特に竿を出したことがない釣り場では、「クロダイがいそうなところを嗅ぎ分ける嗅覚」が、ことさら必要になります。
初めての釣り場では辛酸を舐めることが多いのですが、何度も通い詰めると、自分と他人が釣ったポイントがインプットされてアソコと、アッチと、ソッチとあの辺…と云うようなポイントが脳裏に刻まれて「引き出し」になります。
同じ釣り場に通う重要性は、どの場所でいつの時期にどんな魚が何のエサや仕掛けで釣れるのかを知ることにあります。
このことは年によって若干違うこともありますが、少なくとも5年スパンぐらいの中期的な視線で勘案しますと、大きく乖離はしないものなのです。
つまり、年なしのクロダイを釣る上で一番大切なポイントとは、今どこで釣れているのか?と云うことと、過去2~3年にどの辺で釣れたのか?と云う情報を集めることにあります。
とまあ、口で言うのは簡単ですが、実際はピンポイントなので、情報を集めることはなかなか難しいのです。
仮に箱崎ふ頭で53センチのクロダイが釣れたという情報が入手できても、
箱崎ふ頭のどの場所?バナナ?貯木場?ポートオブハカタ?のどのへん????と云うのが問題になります。
そしてしばらくしてからあの53センチのチヌはビートル発着場のところで夜のウキ釣りで釣れたらしい・・などと云う情報が入手できても、果たして同じようにして釣れるかどうかははなはだ疑問です。
ただ、来年度の似たような時期にウキ釣りをして狙ってみよう!と云う参考にはなります。
引き出しがほとんどない初心者に重要なことは、今年大型のクロダイが釣れるポイントを何とかして知ることです。
釣具店の情報などでは詳細はほぼ掴めませんので、現地で実際にヘチ釣りをしている方に尋ねてみるだとか、私を含めヘチ釣りや落とし込み釣りをしている方のサイトなどで釣れた場所をチェックすることに尽きます。
そして実際に竿を出してピンポイントを見つける以外にありません。
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初心者が大物に出会える釣り方はズバリヘチ釣りです。
落とし込み釣りとヘチ釣りは、似てて非なる釣り方です。
こちらの2つのタックルを一目見て、ヘチ釣りのタックルと落とし込み釣りのタックルの区別がつく方は、かなりの経験者のはずです。
落とし込み釣りはUガイドの穂先の細くてある程度の長さがある竿を使い、ドラッグが付いた太鼓リールあるいは小型の両軸リールを使うのが特徴で、基本的には予めリールから出していたライン(ミチイト)の長さで深さを探る(タナをある程度決め打ちする)釣り方です。
一方、ヘチ釣りはミニクロガイドあるいはSicガイドが付いている3メートル以下の長さの竿を使うのが特徴で、Bから3Bぐらいのガン玉で海面から海底までをユラユラ…と落として全部のタナを探る釣り方です。(ロッドはメバリングロッドやアジングロッドでもヘチ釣りはできます)
落とし込み釣りとヘチ釣りでは使うリールも違います。
落とし込み釣りのリールは、ドラッグやブレーキが付いている太鼓型のリールや小型両軸リールを使い、ヘチリールは回転性能が非常によく、ハリスにB~3Bのガン玉を付けてエサを付けた状態で、スルスル…と仕掛けが海底に向かって沈んでいくようなリールでないと、全く役に立たないのです。
但し問題になるのが、ヘチリールを使うときに、仕掛けを作るとき、魚を釣り上げたとき、とにかくヘアーバンドなどでハンドルを止めておかないと、回転性能が良い分勢い余ってミチイトがグチャグチャになるのです。(涙)
魚を釣り上げたり、タモに入れたときはすぐにヘアバンドでハンドルを固定しておかないと、魚がピチピチと跳ねただけでヘチリールがグルグル…と回転し、ミチイトがグチャグチャになり、楽しい釣りがブルーになりかねません。
これらの余分な回転を解消するのが黒鯛工房のクイックストッパー搭載タイプのリールです。
性能も申し分ないですが、お値段もそれなりにします。
近年一緒に良く釣りに行く西戸崎在住のK君愛用のタックルは、がまかつの銀参郎と黒鯛工房のリールで、竿とリールで9万4000円ぐらいしますが、ガチで大物を釣り上げたい!と云う方は、最初から揃えても損はしないタックルです。
初心者は格好から入るのも一つの手ですし、それなりの高価なタックルを買えば、後には引けなくなりますからね~!
但し、Amazonなどで真剣に探すと、ヘチ竿とリールで10000円前後でも見つけられます。
アマゾンで売られているお手頃価格のヘチ竿
アマゾンで売られているお手頃価格のヘチリール
ヘチ釣りの方が初心者におすすめ!
私は初心者には、ヘチ釣りをお勧めします。
ヘチ釣りの方が、浅いタナから海底までを満遍なく探ることができるからです。
要はヘチリールのスプールを押さえている指を離してイトをスルスル…と出していると、竿先や持っている手元までガツン!とアタリを感じるはずですし、落ちて行くのが止まったり、急に落ちて行くスピードが速くなったりするのもアタリのサインです。
クロダイに限らず、シーバスやメバルなども当たるタナが日によって違います。
アラカブだって日によっては海底ばかりではなく、かなり浅いタナだったりするのです。
要は、その日その時々で変わる魚のタナを隈なく狙うことが出来る釣り方がヘチ釣りだからです。
博多の釣りバカのマネはするな!
初心者にはヘチ釣りを薦めておきながら自分はしないのが釣りバカの所以かもしれませんが、私はせっかちな性格なためヘチ釣りをほとんどしません。
軽いオモリで、8メートルも9メートルもあるポートオブハカタや中央埠頭などを釣り歩くのは、全く性に合いません。
ユラユラ・・とエサの付いた仕掛けが落ちて行くのが苦手なのです。
見ているだけで、イライラ…してきます。(笑)
今日はヘチ釣りをしようと思って釣り場でやってみても、釣り場で舌打ちをしながら、「んも~…チンタラチンタラしやがって!…」と、すぐに6Bやそれより重いウォーターグレムリンなどを付けて、狙ったタナを決め打ちの落とし込み釣りになってしまうのです。^^;
但し、落とし込み釣りの方が稀に断然釣れることもあり、例えば海面から3ピロぐらいのところにメバルやセイゴやメイタがウジャウジャいるときは、6Bのガン玉やそれ以上大きなウォーターグレムリンで手返し良く釣れば、あっという間にバッカンが魚だらけになることも珍しくありません。
更にいうなれば、近年の私は基本的にクロダイを狙うことを主体とはしていないので、大きめのオモリと小さな針で、キスやハゼやカレイまでも釣れてしまう前打ちが出来る落とし込み釣りの方が向いています。
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年なしのクロダイを釣るための仕掛けはヘチ釣りも落とし込み釣も変わりません!
釣りの入門書では、落とし込み釣りは目印糸を付けた仕掛けが紹介されています。
私も30代前半の頃は、自分で目印糸も良く作っていましたが、以下の理由で目印糸を一切使わなくなりました。
・牡蠣殻などに目印糸が良く絡み、目印糸が途中から切れて使えなくなりがち。
・夜になると目印糸は役に立たないので、仕掛けを作り替えねばならない。
これらの事からいつの間にか昼も夜も、ヘチ釣りも落とし込み釣りも以下のような仕掛けで釣っています。
ミチイトにケミカルライトを取り付ける
釣り用のケミカルライトを購入すると、サイズに応じた透明のビニールパイプが入っています。
それを4つに切ります。
4つ切ったうちの2つをミチイトに通します。
ケミカルライトを止めます。
ミチイトの先で輪っかを作ります。
その輪っかにハリスを結びます。
ハリスはフロロが一般的ですが、ナイロンを使うことも多々あります。
長さや太さは、その時々の狙う魚や状況に応じて使い分けます。
ハリスには当たり前ですが、ハリを結びます。
ハリも、狙う魚やエサによって違ってきます。
ガン玉はBからパチンコ玉ぐらいの大きさのウォーターグレムリンまでいろいろな大きさを適宜ハリスに打ちます。
・ヘチ釣りをする方に多いのがイト鉛をハリに巻くことです。
・カラス貝を使う方は、ノーシンカーでヘチ釣りをする方もいます。
・落とし込み釣りでは軽いオモリから重めのオモリをハリスのいろいろな位置に打ちます。
・エサによってはヘチ釣りも落とし込み釣りもハリに直接ガン玉を打つことも多々あります。
私は、透明ビニールパイプで止めたケミカルライトの位置がハリから1ヒロにして釣ることが多いものです。
昼間は既に光らなくなった発光パイプを付けておき、暗くなったら新しいケミカルライトを折って光る状態で透明ビニールパイプで止めます。
仕掛けは、いたってシンプルでしょう?
シンプルがゆえに、限られたハリやオモリやハリスにこだわるようにもなるのです。
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年なしのクロダイを釣りたければカニとカラス貝の餌に専念すべし!
私が普段よく使うアオムシでも、間違いなく「年なしのクロダイ」は釣れます。
ただしそれは夜釣りでのケースがほとんどで、日中に「年なしのクロダイ」を狙うのであれば、岩ガニあるいはカラス貝がおすすめです。
昨年は、H君もY君も岩ガニで「年なしのクロダイ」を仕留めたと記憶しています。
岩ガニは、場所によってはスズキクラスのシーバスも良く釣れるので、使い方に慣れておくに越したことはありません。
岩ガニは大潮のド干潮の前後の時は、ゴロタ浜などで石をはぐれば採れます。(エサ代はタダです)
そうでないときは、名島の香月釣具に行けば、岩ガニもカラス貝も売っています。
カラス貝はエサ取りが多い場所ではマストアイテムのエサですが、博多湾ではクロダイやヘダイ以外はまずアタリすらありませんので、下手をするとボウズを食らうエサだとも言えます。
但し、釣り場によってはカラス貝しか食わない釣り場も多々ありますので、こちらも使い方はマスターしておくべきです。
随分と長い記事となりましたが、初心者の方でも、
・ヘチ釣りで
・岩ガニあるいはカラス貝のエサ
でクロダイを狙うと、年なしのクロダイに出会える確率が格段と高くなります。
最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れれば一番シンプルでお手軽お気楽な釣り方なので、是非ともチャレンジしてみてください。
場所によっては既にチヌが釣れているところもありますが、湾奥でどなたにもチャンスが回ってくるのは5月の後半ぐらいからです。
それまで、試運転がてら練習してみるのも良いかも?
長い記事を最後まで読んでくださりありがとうございます。
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