今の時期の天気が良くて風のない日の博多湾に沈む夕日は、格別にきれいです。
この日この時に博多湾のヘチで竿を出せる幸せを感じることが多々あります。
俗にいう「夕マズメ」でもあり、夜行性の魚の活性が一気に上がる時間帯でもあるのです。
釣り場によっては、昼間はオーバーハングの下に潜んでいた魚たちが、捕食活動のためウロウロし始めます。
日中は何もアタリがない場所でも、この時間帯から好釣り場に変わるポイントも少なくありません。
きれいな夕日を眺めながらチヌやシーバスやキビレなどと戯れるのは、そんなに難しいことではありません。
それができるのがヘチ・落とし込み釣りの魅力でもあります。
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安近短の釣りにはヘチ・落とし込み釣りが欠かせません!
私は小学校に上がる前から、近所の男の子たちと一緒に、お粗末極まりない竹竿でキスを釣って遊んでいました。
エサは、なんとも贅沢なことにスムシと呼ばれるフクロイソメでした。
当時の博多は現在よりもずっと肥沃な海で、カブトガニがたくさんいましたし、アサリはもちろんマテガイやバカガイも子供の私たちにも簡単に採れていたのです。
子供のころから現在に至るまで飽きもせずに釣りをするのも、自分でも「進歩のないやつ」と思うこともありますが、釣り以上に楽しい経験をしたことがほとんどないからかももしれません。
釣りに関してはいろいろな釣りをしてきて、50歳を過ぎてからほぼヘチ・落とし込み釣りしかしなくなったのは、安近短の釣りができるからにほかなりません。
磯釣りや船釣りの楽しさも十分存じておりますが、時間も金もかかりすぎるのがつらいところです。
特に船釣りは、凝りだすと金がいくらあっても足りないぐらいアレコレ欲しくなりますし、高い船賃を払ってでも大物が釣りたくなります。
でも、高い道具や仕掛けやエサを買い揃えても、当日海が荒れると船が出ません。
会社員が船釣りができるチャンスは限られており、釣りモノが刻々と変わるため、今月買い揃えたタックルや仕掛けが来月は役に立たないことも多々あって、釣りにも行けずに道具が増えることがストレスとなります。
しかも、船が出ても釣果情報とは雲泥の差があるひどい船にも何度も当たりました。
聞き飽きた船長のセリフNO1が「おかしいなぁ~!今日は釣れんな~!」というもの。
「今日はではなく、今日も釣れんなぁ~!」だろうが!と、ぼやきたくなる船は少なくないのです。
カネと時間をかけるほどに、どうしても期待感が高まるのは否めません。
それと比べると、ヘチ・落とし込み釣りは金も時間も掛けていないので、期待感もあまりなく、釣れなくても落胆度などほぼありません。
ですが、いろいろな魚が釣れますし、年なしのチヌを釣りたい方は最短最速の釣り方ではないかと思います。
シーバスもいろいろな釣り方があり、ルアー釣りはもちろん、投げ釣り、船釣り、ウキ釣り、泳がせ釣りのすべてをやってきましたが、落とし込み用の竿で釣る釣り方が一番スリリングで楽しい釣り方だと断言できます。
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ヘチ・落とし込み釣りがイマイチ不人気な理由
釣具店に行くと、ヘチ・落とし込み釣りのコーナーはほぼありません。
ロッドやリールも販売されているのは限られています。
なぜ釣具店がヘチ・落とし込み釣りのコーナーを特に設けないのかを考えると、釣り具が売れなくなることと、歩留まりの悪い生き餌をたくさん置かなくてはならなくなるからでもあると思えます。
経営効率から言いますと、ロストが激しいルアーをたくさん販売し、ルアーロッドやそれに対応するリールを販売したほうが経営効率が良いからにほかなりません。
しかもメーカーが魚種や釣り方を細分化して、この竿が良い、あのリールが良いとテスターを使って流布することで購買欲を掻き立てることをやってくれます。
ヘチ・落とし込み釣りは、一度タックルを買えば、後はハリやハリスなどの消耗品とエサしか必要でなくなるからです。
これでは商売になりません。
しかし、ルアーフィッシング自体はエサ釣りと比較すると、そもそもが難易度が非常に高い釣り方であるのは否めません。
ビギナーがハイエンドなタックルを買い揃えて、ルアーをいろいろと買い揃えて釣りに行っても、よほど良い指導者に恵まれて、よほど良い釣り場に行かない限りボウズ地獄がエンドレスで続く釣りでもあるのです。
それと比べると、エサ釣りはビギナーにおすすめです。
確かに、アオイソメなどの虫類が苦手と云う方も少なくありませんし、カニやフナムシなどにハリを刺すのが気持ち悪いという方もいます。
もしもこの記事をご覧になっているビギナーのあなたが、アオイソメなどの虫類や生きたカニやエビなどにハリを刺すのが苦手でなければ、ルアー釣りよりもエサ釣りから始めることをおすすめします。
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ヘチ・落とし込み釣りの魅力
ビギナーは、サビキ釣りやちょい投げ釣りが定番ですが、私はヘチ・落とし込み釣りをビギナーにやっていただきたいと思っています。
ヘチ・落とし込み釣りには、釣りに必要なエッセンスが盛り込まれているからです。
道具がシンプルなだけに、ハリにこだわり、ハリスにこだわり、ガン玉にもこだわりますし、ハリスとミチイトの結束の仕方にもこだわるはずです。
このことはすべての釣りに共通しますし、アタリがあってから一呼吸送り込んでアワセを入れるタイミングは、ヘチ・落とし込み釣りで勘を養えば、船釣りなどでも十二分に生かせます。
事実、私は40代で船釣りによく云っていた頃は、たいてい竿頭でした。
エサをハリに刺して、海底まで沈めてイトふけを取り、アタリがあるのを待ち、アタリがあったら竿先を送り込んでタイミングを見計らって竿を煽る一連の動作は多くの釣り方に共通しています。
20代後半でヘチ・落とし込み釣りを始めた私が船釣りに順応するのは、とても簡単なことでした。
しかし、船釣りが専門な方はヘチ・落とし込み釣りが上手くできるとは限らないと思います。
なぜならば、船釣りは金を払って船長が釣れる場所に連れて行ってくれるのに対し、ヘチ・落とし込み釣りはポイント選定も含めすべて釣りそのものを自分で組み立てねばならないからです。
裏を返せば、ボウズもありうるリスキーな釣りでもあるのがヘチ・落とし込み釣りです。
ですが、との時々の自分の勘に頼ったポイント選定も自然と身に着きます。
年なしのチヌや60センチを超えるシーバスにも高確率で当たりますから、否が応でも取り込み方が身に着きます。
バラした悔しさも必ずヒントになります。
私は、メイタ~チヌを釣るためだけにヘチ・落とし込み釣りをしているわけではありません。
いろいろな魚種を釣りたいからへチ・落とし込み釣りをしているのです。
いろいろな魚を釣っていたい方や、近場でお金をなるべくかけずに大物を釣りたちと云う方は、ヘチ・落とし込み釣りがお薦めです。
私が書いたこちらのヘチ・落とし込み釣りのサイトも参考にされてください。
⇒ヘチ・落とし込み釣り ビギナーのためのマスター講座
ヘチ・落とし込み釣りでは狙えない魚もいますが、長い時期にいろいろな魚が狙える最強の釣り方の一つです。
思うほど難しくないので、興味のある方はヘチ・落とし込み釣りデビューをしてみてはいかがでしょうか?
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